引越し時の「原状回復費」はいくら?ムダなお金を払わないための話

  • 更新 | 2022.09.30 公開

「いや、こんなはずじゃなかったのに…」

そうなったのも、ぼくが6年間暮らしたマンションを引っ越しをした時に、マンションの原状回復費を約24万請求されたからです。

上記の画像が証拠なのですが、見積もりを出された時にびっくりして「まじすか…」と、その後の言葉が何も出てこなくて後悔しかなかったので、引っ越しを控えているこれを見てくださる人に、少しでもムダなお金を払わないための方法をまとめてみました。

引っ越しの荷運びでもお金がかかり、引越し後の用意でもお金がかかり、そして想定していなかった退去後の修繕費の高さにノックアウトしないためには事前対策がおすすめです。著者:osugi

引っ越し時の大変さ

引っ越しを経験している、または今回が初めての場合であっても、引っ越しってめちゃめちゃ大変だって感じると思います。

やること
・引越し先を不動産屋さんと回って決める
・引っ越しと退去日を管理会社へ伝える
・引っ越し業者を決める
・引っ越しの荷造りをする
・ガス/電気/水道/ネット/火災保険の解約を伝える
・引っ越しを行う
・ガス/電気/水道/ネット/火災保険の契約をする
・保険や住所登録などもろもろ変更する

引っ越しが決まったら、多くの場合はノロノロできず、退去日という期日が決まってしまうため、一気にモノゴトを動かしていかなくてはいけません。

誰かがやってくれるならいいですが、こればっかりは自分で対応するしかない。

来る日に備えて、いろんなところへ電話やメールをしたり、連絡しながら古い契約解除と新しい場所での新規契約を進めていきます。

本当にもう一人か二人、自分がいればいいのに…と思うほど時間もなく、だんだん焦りながら当日を迎えていく。

ここで抜けがちなのが、住んでいた部屋に発生する原状回復費と呼ばれる、次の入居者が住めるようにするための修繕費。

今回ぼくは、予定外の約24万円を請求されてしまったので、これを見てくれているあなたも大事な貯金を切り崩さなくていいようになってもらえると嬉しいです。

予想外の目を疑う原状回復費

入居時に以下のお金を払うケースが多いと思います。

敷金:原状回復費に当てるお金(預り金となる)
礼金:オーナーへ渡すお礼のお金(全部オーナーの利益になる)

ぼくの場合は礼金のみだったので、敷金は預けていませんでしたが、そうしたら予想外の約24万円の請求。※以前住んでいた部屋は古い建物だったため5万で収まってたのに…

一瞬目を疑いましたが、業者さんが各所をチェックして細かく説明してくれました。

「すでに6年住んでいたので、壁紙とかはオーナー負担になるので安心してください。だけど、玄関の框(かまち)とレンジフードの凹みは取替が必要になるので約11万円、あとはキッチンの板、お風呂の水垢の清掃やエアコンのカビなども含めると約24万円となります。」

小さな欠けですが全取っ替えを要求されました

※こんなちょっとした凹みでも全取っ替えを要求されました

オーナーは大手なので「悪徳不動産とか、そんなことないよね?」と、疑う気持ちもありつつ説明を聞きましたが、予想外すぎるまったく予期していなかった請求だったので、完全にパニックです。

どうしてこんなに費用がかかったのか説明するには、見積もりを見てもらう方が早いので公開しますね。

仕事が合わないサイン
項目数量単位単価合計
ルームクリーニング150000円50000円
エアコンクリーニング120000円20000円
キッチンシール剥がし16000円6000円
洗面手前壁穴110000円10000円
クロス張替え※351400円49000円
洗面所床張替え※120000円20000円
キッチン底板補修110000円10000円
リペア補修費用1110000円110000円
風呂水垢・鏡研磨110000円10000円
合計237600円
※の部分は6年暮らしていたおかげで経年劣化扱いとしてオーナー負担となる

ここで痛い費用が、キッチンのシールはがし・風呂水垢・鏡研磨の3万円。

だいたい、金額が発生しているのが水回り系ですが、100円ショップに行って掃除用具を少額で揃えて、事前に掃除しておけば掛からなかった金額…。

予想外の費用がとられた箇所
・キッチン
・洗面台
・お風呂

原因
・水垢
・カビ
・木材腐り

など、ここで注意したいのが、オーナーの考え方で、本当にちょっとした傷・欠け・剥がれなどでも、次の入居者がすぐ決まるように全取っ替えをして、新品同様にさせる場合は施主負担が大きくなるってこと。

住んでいればそれなりに自然と汚れたりしてくるため、これらは経年劣化として処理されるだろうと思っていましたが、これがぼくの勘違いでした…。

故意ではないとしても突発的に発生した修繕であれば、直さないといけない。

全部経年劣化だから施主負担はないよね?と思っていると、痛い目を見ます。

とくに水回り付近は退去後の費用負担が大きいので、ムダに費用をとられないためにも普段からキレイにしておく意識が重要かもしれません。意識していたのにこういう結果になってしまったので、本当にオーナーの考え方次第で痛い目を見ます。

高すぎるからといって訴えてもいいのか?

思っていた以上に高額な修繕費を求められた場合、誰もが納得できない感情に襲われると思います。

悪徳オーナーまたは悪徳業者による高額請求であれば戦った方がいいですが、悪徳かどうかは判断のしようがない。

まず、退去してしまった後は確認ができないのと、たとえば退去のタイミングと同時に立会確認をして見積もりを出された場合は、すぐに回答を求められるため考える時間も、正当性を確認する時間もありません。

あとからじわじわ「あれって高すぎないか?」と思っても、すでに退去した部屋はクリーニングがされてしまったり、元の状態が分からない。

訴えても、弁護士費用だったり各種の連絡、時間の拘束、精神的な苦痛を考えると、どうしてもメリットが薄くなる。

金額だけ下げようと思っての訴えであれば、それに関係するデメリットの方が大きくなるので、あまりおすすめできません。(完全な泣き寝入り…)

今回ぼくのケースは訴えようとは思いませんでしたが、それでも腑に落ちない納得できない部分を抱えたまま引っ越しが終わる可能性もあることは、可能性としてはあり得る話。

原状回復費の相場はいくら?

相場といっても、建物が新築or古いか、オーナーが厳しいorゆるいか。

感覚的には、入居率の高さを求める利益重視のオーナーの場合は、次の入居がすぐ決まるように、原状回復費が高額になりやすい。(悪徳だと思ってしまうほどに)

ぼくの経験から言うと、

2016年時の引っ越し:5-6万円(リノベーション物件で古い)
2022年時の引っ越し:約24万円(新築でオーナー超厳しい)

友人の話を聞いても5-6万ぐらいと聞いたので、今回ぼくのケースが異常に高い。

そう考えると5-10万円くらいが、アパート・マンションの退去時にかかる原状回復費の相場だと考えられます。(単身者向けの広さの場合)

ちなみに、今回高額になってしまったので、担当者に食って掛かってみましたが、この物件に関しては他の方も原状回復費用として10万円前後はとられてしまっているらしく、ぼくの場合は直しが多かったので特別高くなっているとのこと。

せっかく気持ちよく過ごし、キレイに使ってはいましたが、最終的に損をした気分になってしまったのは否めません。

自分のせいでもあり、住む時は楽なのに出る時が厳しいオーナーに当たってしまっていたのもあり、色々なことが複合的に重なり合った結果なのかなと。

退去時に原状回復費(修繕費)を抑えるポイント

退去時に大きなお金、本人にとっては予想外のムダに払いたくないお金を少しでも抑えるポイントを、ぼくの悲惨な経験からまとめてみました。

①水回りはよく乾燥させてキレイに保つ
②退去(引き渡し)の前に清掃する
③修繕費を入居前に確認しておく

後悔しないために、3つを詳しく見ていきたいと思います。

①水回りはよく乾燥させてキレイに保つ

退去時の修繕見積もりの担当者に言われたことがあります。

「水回りは特に修繕費がかかりやすいため、今後は注意したほうがいいですよ」と。

クリーニング代としてかかりやすい水回り付近の部位。

お風呂

  • 鏡の汚れ
  • 浴槽の水垢
  • 浴室の水垢
  • お風呂の入り口の床のクロス

とくに、水垢部分がやっかいで、知らない間に溜まっていることが多い。

そのままにしておくと、簡単には取れないようなこびりつきに発展してしまうため、クリーニング業者を頼まないと落とせない状態にもなります。

キッチン

  • 流し台
  • ガスコンロ
  • レンジフード

ぼくの場合は1Kに住んでいたので、キッチンもかなりの極小タイプ。

あまりキッチン用品の置き場がなかったので、食器を乾燥させるためにキッチンの横に無理やりスペースを作って置き場を確保していました。

その結果、そこから滴り落ちる水滴によって、キッチン横の板が劣化して腐食し、修繕費をとられる結果に…。

洗面台

  • 洗面台前のクロス
  • 洗面台の床クロス
  • 排水のつまり

狭い洗面台だと、顔を洗ったり手洗いも含めて、水が飛び散ります。

その飛び散りが長年積み重なるとクロスを腐食させて穴を開けたり、カビが生えて黒ずんだりしてしまう。

ぼくの場合は6年住んでいたおかげでクロスの汚れは無料になったものの、カビを発生させてしまったことで、余計なお金がとられてしまいました…。

トイレ

  • トイレ床のクロス
  • トイレの機器

今回、ぼくの場合はトイレ周りは大丈夫だったのでよかったのですが。

トイレの機器故障があったり、汚れが付きやすい部分でもあるので、ためすぎていた場合はクリーニング代が別途かかる可能性も。

こまめに掃除しておいて損はありません。

②退去(引き渡し)の前に清掃&補修する

ぼくの失敗は、引っ越し後すぐのタイミングで退去日を設定してしまったこと。

よけいな家賃をかけたくない、と思ってすぐに事を進めましたが、その結果として引っ越し後の部屋の掃除を怠ってしまったため、高額の修繕費がかかってしまいました。

たとえば今回ハウスクリーニングが5万もとられましたが、個人業者に頼むと1〜2万円程度でキレイにしてくれます。参考:くらしのマーケット

僕の場合は事前に入れておけばよかったのですが、場合によってはハウスクリーニング代がかからない賃貸もあると思うので、原状回復費が高額なオーナーさんに当たってしまった場合は検討の余地あり。

たった一箇所の傷や汚れでも、場合によっては全取っ替えのフルフルで費用請求される場合もあるため、傷・汚れなどはできるだけ掃除しておきましょう。

傷あり・汚れてる=お金がとれる部分、だと認識されて費用請求の対象になる場合も。

③修繕費を入居前に確認しておく

入居時には、色々な物件を回って「ここに住みたいな!」とイメージを膨らませてからの入居だと思います。

賃貸を紹介してくれる方も、オーナーさんもどちらも入居を歓迎しているため、結構駆け足で契約まで進んでしまう。

そこで見落とされるのが、原状回復費はその物件だといくらぐらいが相場なのか確認すること。

たとえば敷金を一時預かりとして入れておけるなら、その敷金=原状回復費だと思うので相場としても分かりますが、敷金がないのは施主側としては初期費用が抑えられるので嬉しいものの、修繕費の高額を招く危険性があるため注意が必要です。

修繕費が跳ね上がる原因

原因1:敷金なしの場合は金額が跳ね上がる

新築で敷金無しの場合、原状回復費が高くなる可能性があります。

新築なので、まだまだ価値は高く、出てもすぐ誰か入ってきてくれる可能性がある。

その確率を下げてしまうのは部屋の汚さでもあるため、オーナーとしては新築時と同様レベルの綺麗さにして改めて売り出したいと思う。

もし、新築で敷金なしの場合は、原状回復費がどれだけかかるかわかっていないため、退去時になって初めて金額となって現れる。

これは高額になる可能性を秘めており、今回ぼくのケースがこれだったので失敗した点かなと思いました。

原因2:オーナー意向で修繕費が跳ね上がる

借りる側は最初に聞き出すことが難しいため、かなり不利なのですが、オーナーの意向によって原状回復費が大きくかわってきます。

たとえ経年劣化だとしても、クリーニング代や修繕費を多く支払う可能性がある契約になっている場合は、簡単に10万超えになる場合も。

施主負担を前提とした原状回復費になっているのか、契約時に確認しておくのがおすすめです。

原因3:白壁は汚れがすぐバレる

白いクロス、白いキッチンなどなど、白はキレイ・清潔なイメージがあるため、入居時にとっては魅力的な内装に見えます。

しかし、ぼくが今回の高額請求をされて改めて感じたのは、白さは汚れや傷がわかりやすくなっているため、退去後の修繕費をとりやすいのではないか。

ちょっとした汚れでも、経年劣化として判断されなければ、全取っ替えで施主負担となります。

これの何がいいかと言えば、借りた本人が払うことになるため、オーナー側がお金を負担せず部屋をキレイにしてもらえる。

オーナーは建物を維持するためにお金をかけますが、オーナー自身もムダな持ち出しはしたくないと思っているため、払わなくていいものは払わないスタンス。

代わりに借り主が払ってくれる状態・仕組み化にするため、白いクロスや備品は都合がいいのかなと感じました。

入るのは簡単なのに、出る時の負担が大きい物件・オーナーに当たってしまうと、今回僕のような20万超えの請求をくらうことになります。

もし原状回復費が5万以上になったら検討したいこと

賃貸であれば、短期・少額などの保険に入ると思います。

ぼくの場合はエポス少額短期保険に入っていたので、経年劣化ではない、故意でもない、事故的な破損・傷・汚れなどに関しては保険が適用可能。

今回は事故と思われる玄関の框(かまち)と、レンジフードの凹み(合わせてリペア補修)に関して、適用できる可能性があると見積もり業者の方に言われたため、一度保険会社へ連絡してみました。

そうしたら一度、証拠を提出しないといけないので、下記のような流れで説明を受けました。

①保険会社へ連絡すると申請書類を発送してくれる
②一旦は約24万をオーナーへ支払う
③届いた書類を書いて、事故証拠の写真、支払い証明書(振込用紙やネットなら証明画面のスクショ)も送る
④承認されて後日保険分が支払われる

注意点として、

  • 事故を示す証拠写真が必要(修繕が終わってからでは撮れないので引き渡しまでに撮影)
  • 一度オーナーへ支払ってから後日保険分が戻ってくる
  • 免責として数千〜数万は支払う

事前に用意するものがあるのと、完全な無料になるわけじゃなく、部分的な支払いが必要です。

それでも、返ってくる金額があるのなら、保険会社に連絡する価値はあると思います。

ムダなお金が飛んでいかないように…。

次の入居時には絶対にしておきたい初期セッティング

小さな汚れ、小さな傷、そんなものであっても、全取っ替えのフル修繕を要求される可能性は、賃貸であれば誰でもありえること。

そうならないためにも、改めて入居時にしておきたいことをまとめてみました。

基本は、直に触らない・置かない。

棚系

キッチンなどは得にですが、水滴が付いたまま置くシーンが増えたり、棚だと見えない位置に無理やり入れ込んだりすることも。

そうなった時でも、保護シートを敷いておけば、小規模な事故はかなり減らせます。

たとえばこれ、

食器棚シート 45*500cm

食器でなくとも、棚系であればどんなシーンでも保護シートとして敷くことができます。

キッチン棚、冷蔵庫、本棚、洗面台の棚、お風呂の棚、収納棚などなど。

あとはコンロ周りの汚れやすい油も、そのまま放置していると、清掃するのが難しい=クリーニング対象となって費用が請求されてしまう場合も。

キッチン 壁 シート 透明(40CM×5M)

このような、キッチン壁の保護シートもおすすめです。

床系

床は傷と汚れがメインとなり、普段足を踏む場所でもあるので、なかなか対策が難しい。

しかし、特定の場所を行き来する機会、または汚れやすい部分はわかっているため、そこを重点的に対応するのがおすすめです。

キッチン下の床

【拭くだけ】キッチンマット 透明

洗面台またはお風呂の入り口

珪藻土バスマット

水を含んだ状態で、足踏みする箇所では、そもそも水分を浸透させない対策が必要。

汚れは水分を含んだ状態で起きやすいため、まるっきり浸透させないか、吸収して乾燥を早めてくれるものがおすすめです。

最後に

今回、約24万円の原状回復費を請求されて、かなりのパニック&意気消沈。

あなたも退去時に「修繕費を24万払ってください」と言われたどうしますか?

これは体験しないと分からないかもしれませんが、かかるであろうと思っていたものの、想定の5倍だったので、さすがに心が折れました。

それでも、次に入居してもらう方に、気持ちよく入ってもらえたらいいという考えに落ち着いたので払うことにしたため、次のところでは絶対に気をつけるんだと思い、よい経験になったのかなと。

引っ越し・退去・引き渡し時に、賃貸オーナー側から高額請求があった場合は、まず冷静になってすぐに支払いや金額証明をする書類にサインしないのがいいかもしれません。

まずは冷静になって、それって本当に必要な値段なのか?適正価格なのか?を確認しましょう。そして、部屋全部を予め写真で収めて現状を残しておき、いつ何時でも対応できる状態にしておくのがおすすめです。

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