上司がリモート・テレワークを拒否しがちな理由とは

  • 更新 | 2022.07.12 公開
上司がリモート・テレワークを拒否しがちな理由とは

「リモートワークがしたい…」
「テレワークがしたい…」

働き方に関して、他社を羨ましいと思う理由の一つに、在宅環境での仕事が可能かどうかが入ってきました。(私は特に!)

会社はOKを出していても、組織やチーム単位では却下されている場合もあるかもしれません。

なぜリモートワーク・テレワークが、特定の人にとっては恐怖の対象で許可できないのかまとめてみました。

本気で従業員さんのことを考えている会社は、在宅環境による仕事を許可している傾向が強いと感じています。著者:osugi

私のリモートワーク・テレワーク状況

私の会社でもリモートワークを取り入れ出しましたが、紆余曲折ありました…。

① パンデミックが発生

② 月に4回まで在宅可能

③ 月の半分までは在宅可能

④ 月1~4出社のみであと在宅

⑤ 全て在宅(今ここを交渉中)

ここにくるまで、結構な時間がかかったと思います。(1~2年くらい?)

その都度交渉して規約を変えるために、取締役会へ申請をお願いしたり…道のりが長かった。

今まで、コロナ第〇派といった波が何回も来ていると思いますが、そのたびに在宅OKが出たり、落ち着いたら出社解禁となったり、コロコロ変わる状況に、疲れてしまった方もいるんじゃないかなと思っています。

どの会社さんも初めてのことで、調整するのが大変だったと思う…。

それでも今、リモートワーク・テレワークできる制度・環境を準備し、時代に合った働き方ができている会社もあるので、そんな会社は生き残れる力があるんだと思います。

たとえばNTTさんやソフトバンクさんなど、大手企業ほどリモートワークを推進して、時代に合わせています。

なぜ在宅で仕事をさせてくれないのか?

世界的なパンデミックによって、私たちの生活スタイルが一変し、それが仕事にも大きな影響を与えました。

今までは「甘えている」と考えられていた、リモートワーク・テレワークが急速に市民権を得るようになり、福利厚生の一環としても導入する企業が増えています。

中にはどうしても業務上、機密情報を扱ったり、物理的な作業が必要な仕事は在宅が許可できないこともある。

しかし、例えばパソコンを使った仕事で、特に機密情報も扱わない仕事においては、オフィスで仕事をしても在宅で仕事をしても何も変わらないのに、会社や上司がさせてくれない場合もあります。

一体なぜ、許可してくれないのか、許可できない側の心理から理由を探ってみます。

在宅を許可できない理由

まずは在宅を許可できない、許可したくないと思う気持ちから、会社や上司のホンネを探ってみます。

許可できない理由
・機密情報を扱うため漏洩が心配だから
・手作業で確認が必要な業務がある

許可したくない理由
・部下を信頼できていない
・マネジメントに不安がある
・在宅だと個々の業務状況が把握できない
・在宅環境を用意するお金を別で出せない
・新しいことを始めるためのエネルギーが無い
・設備にお金をかけているから使ってもらいたい
・上司は在宅環境が合わない(家だと居場所が無い)
・上司自身が出社派なので在宅は「甘え」だと思っている
・特定部署が在宅できない場合は不公平感が出るから避けたい
・上司の上長(社長など)が出社してるから自分も出社しないといけないと思ってる

パッと出してみましたが、絶対に許可できないことはそんなに多くはなく、ほとんどは「許可したくない」と思っている、上司側の気持ちによるもの。

たとえば数十名規模ならまだいいですが、数百名となれば、一人ひとりの業務進捗や精度が在宅だと分からないため、上司や会社などマネジメント側に対して大きな不安となる。

その不安が増長されて、自分の評価や給料へマイナスが入るかもしれないと考えたら、是が非でも今の仕事スタイルを守り、リモートワークを許可しようとは思いません。

会社が悪い、上司が悪い、とは言葉に出しつつも、どちらも急激な変化に対応しきれておらず、心理的安全性を感じられないからこそ、拒否反応を示しているのだと思います。

どうすれば会社・上司の不安は消えるのか?

初めてのことは、誰だって不安になります。

ただリモートワーク・テレワークの不安は、予想しているより多いのかもしれません。

① 最適な方法が分からない不安
② 今までとは違う方法に対する不安
③ 一度始めてしまったらすぐに変更できない不安
④ 方法を変えても成果を出せるか分からない不安
⑤ 実際に成果を落としてしまうかもしれない不安
⑥ リモートワーク後のメンタル不調続出の不安

結構、大雑把にまとめましたが、上司が感じている不安は同じく、部下も感じていることだったりします。

その不安を上司・部下が一緒になって解決できれば一番ですが、ここで問題が…。

一緒に解決する場面なのに、そもそも上司・部下の間で信頼関係が構築できていないのであれば、不安の解消が難しいのは当たり前。

今まで、上から下に一方的な指示の出し方をしていたり、仕事なんだからと信頼構築に時間をかけてこなかった付けが回ってきているんだと思います。

信頼関係がないチーム・組織・会社ほどリモートワーク・テレワークに否定的

これは疑いようのない事実だと思っており、信頼関係があれば、新しい方法になったとしても十分やっていけるはず。

それができないと感じているのであれば、二人で一緒に(またはチームで)とは思えず、自分でなんとかしないといけない、孤独感を感じている可能性も。

信頼関係が作れていたら、1人ではなく2人、2人ではなくチームで、そんな協力し合う思考になりますが、そうならない。

全ては不測の事態に耐えられる関係性が作れていなかった、上司の責任だと言えるかもしれません。

会社の文化にも問題が

上司の責任だと言ったものの、会社のルール・文化・風土として、協力体制が作りづらい状況だったり、普段から関係性が断絶するような負の連鎖が発生している可能性も考えられます。

つまり、会社そのものが、リモートワーク・テレワークを耐えられる状態ではない。

そのような場合は、待っていても、願っていても、一向に在宅仕事の環境は手に入らないほうが確率としては高い。

現時点でリモートワーク・テレワークが出来ていないなら今後も可能性が低い

すでに世界的なパンデミックが発生してから、2年以上経過しています。

その期間に、新しく導入できるタイミングはいくらでもあったはず。

徐々に制度整備で進んでいる場合もあれば、まったく実施する気配すらない会社さんもあり、進んでいるならまだ見込みはありますが、今になっても実施していないのであれば、リモートワーク・テレワークが会社的に耐えられないんだと判断した方がいいかもしれません。

そのまま期待して待っていても、望む環境は手に入らない確率の方が高いので、そうなった場合は転職などへ一歩踏み出すキッカケが今だと考えてもいいと思います。

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