退職まで「せめて3年は続けなさい」は正しいのか?

  • 更新 | 2023.02.25 公開
退職まで「せめて3年は続けなさい」は正しいのか?

上司 :「辞めるなら3年は続けた方がいいよ」
面接官:「え、きみ3年続けられなかったの?」
あなた :「3年も続けられない自分はダメなやつなのかな…」

退職する時も、転職先の面接を受ける時も、今の会社を辞めようと思った時も、このどれもで3年信仰がついてまわります。

本当に3年勤めなければいけないのか?なぜ3年だと言われているのか。

3年って一体何なんだろうと思ったら、まず見てほしい情報をまとめてみました。

バイト時代から社会人含めて、20年経験してきましたが、3年間信仰を真に受けると時間をムダにする可能性もあります。著者:osugi

会社を辞めるには3年間頑張る、これは正しいのか?

あなたも必ずと言っていいほど、この言葉を聞いたことがあるかと思います。

「3年はせめて頑張ろうね」

呪文のように、誰もが同じことを言ってくる。

しかしこの3年は、一体何を根拠に3年と言っているのか、正直誰も分かっていません。

3年は約一万時間分

3年間を分解してみると、このような数字になってきます。

例:毎月20日間ほど8時間仕事をした場合
8時間 × 20日間  = 160時間/1ヵ月
160時間 × 12ヵ月 = 1,920時間/1年
1920時間 × 3年 = 5,760時間/3年

一般的な8時間勤務を3年間続けると、約6千時間。

このくらいの時間を、現在の業務に使っているなら、それなりの成長は確保できます。

しかし、給料UPや現在の職場よりもイイ環境へ行きたいと転職したい気持ちがあれば、数いる転職者の中から自分を選んでもらうために、その道のプロと言えるレベルまで到達できてないと難しい。

例:毎月30日間ほど10時間仕事をした場合
10時間 × 30日間  = 300時間/1ヵ月
300時間 × 12ヵ月 = 3,600時間/1年
3600時間 × 3年 = 10,800時間/3年

毎日必死で仕事のことばかり考え、全部の時間を仕事に費やそうと思うと、休みなしで毎日10時間くらい頑張れば、3年間で約一万時間になります。

一万時間をこなせばプロと同義

実は「天才」と呼ばれたり、何か結果を残している人の多くは、その道に対して一万時間以上使っていることを発見した人がいます。

ベストセラーを何本も書いている、マルコム・グラッドウェルという方。

天才! 成功する人々の法則」の中で、一万時間の練習をすることで”本物”になれると言及があります。

たとえば、

  • ビルゲイツ氏
  • スティーブジョブズ氏
  • モーツァルト氏

など、この他にもスポーツはもちろん、さまざまな場面で成功を収めている方々は、一万時間を早々に費やし、圧倒的な速度で成長。

ただ時間を費やせばいい分けではない

一万時間は、普通に考えると途方もない時間なので、簡単に達成できないイメージ強くないですか?

私も「一万時間やればプロだよ」と言われても、そう簡単にできるイメージが持てません…。

しかし、たとえば小学校から大学生まで、習い事として書道をずっと続けてきた、またはサッカーをずっと続けてきた。

こうすれば、

2時間 × 20日間  = 40時間/1ヵ月
40時間 × 12ヵ月 = 480時間/1年
480時間 × 20年 = 9,600時間/20年

20年間もコツコツ続けていれば、一万時間へ到達できてしまう。

それなら、一万時間をやってきた方、全てが大きな成功を成し遂げているかと言えば、違いますよね。

書道を頑張ったけど、先生にはなってない。
サッカーを頑張ったけど、プロにはなっていない。

一万時間分の時間を費やせばいいだけではないことが分かります。

同じ時間でも密度が大切

同じ一万時間でも、そこで得られた経験や知識はまったく違ってくる。

例:仕事現場
Aさん:毎日同じことの繰り返しで一万時間
Bさん:高難度の案件ばかりで一万時間

時間の中で過ごしてきた体験量によって、その人の一万時間の価値が大きく変わるため、単に時間を使えばいいわけではなく、濃密な時間を過ごすことで、一万時間がプロへと変貌します。

3年信仰は正しくもあり不正解でもある

3年間、死に物狂いなって働けば、それだけ得られる経験や知識が変わってきます。

一万時間を過ごせば、その道の”本物”になれていることは疑う余地がありません。

しかしながら、3年間で過ごした時間の密度が薄ければ薄いほど、あまり良い時間の使い方とは言えない。

「辞めるなら3年頑張りな」の本当の意味は、3年間頑張ればプロとして通用できるレベルになるから、そうなれば次どこへ行っても大丈夫だよ、の裏返しと言えますよね。

もし、そのような背景を伝えない「3年間頑張れ」を聞いたら、言っている本人は3年間の意味を分かっていないと言えるため、あまり真に受けなくてもいいかもしれません。

3年間頑張ってもダメなら…

あなたが今の会社に入り、仕事をしているのは、さまざまな想いはあると思いますが、その道のプロとして活躍するために少なからず頑張っているかと思います。

その状況の中、3年間をまずは必死に頑張ってみる。

すぐに諦めず頑張ってみた、全力を尽くした、だけど結果が出せなかったり、心の中で本気になれないのであれば、きっと今の仕事が合わないのかもしれません。

頑張っている最中に、会社や周りから邪魔をされて頑張れない状況であれば、これは別のところで頑張った方がいいので、早めに辞めてしまっていいと思います。

「3年間」と言われて思考停止するのではなく、3年間でどのような時間を過ごせばいいのか。

密度を考えながら、仕事に取り組んでみる。

それでもダメなら、この先も結果が出せない可能性があるため、転職した方がいいと判断できますよね。

ただし、今まで頑張ってきたものが全てムダになるのではなく、少し道がズレていただけの話です。

何も気に病むことは一切なく、むしろその経験が必ず、次のところで発揮できるから安心してください。

まとめ

3年間頑張れは、単なる思考停止した方が言っている言葉に過ぎない。

しかし、3年間で過ごす時間の密度が高ければ高いほど、プロフェッショナルに近づくので、辞めても次ですぐに活躍ができます。

そのため、ただ時間を過ごす3年間にするのではなく、経験量を圧倒的に増やす3年間を過ごすのがお勧めです。

ただし、環境や人間関係が悪ければ、その3年間を台無しにする可能性があるため、その場合は早めに転職して、あなたが本当に頑張れる環境へ移ってもらった方がいいかと思います!

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