あなたがオウンドメディアを始めようとしている場合、始めるに当たって必要な知識や情報を持っていますか?
「CMSを使ってオウンドメディアを作り、記事を更新していけばできるでしょ?」と思うかもしれませんが、オウンドメディアを始める為には、これだけでは足りません。
私が学んできた体験談と知識を踏まえて説明をしていくので、あなたがオウンドメディアを始めようとしているならば、私と一緒になって一つずつ見ていきましょう。
オウンドメディアって?オウンドメディアとは、企業や個人が自ら所有しているwebサイト・ブログ・パンフレット・名刺などの情報伝達をするための媒体を指します。
このページでお伝えするオウンドメディアとは、webサイトの事を指していますので、オウンドメディア=webサイトといった認識を持って貰えればと思います。
オウンドメディアってどんなメリットがあるの?
オウンドメディアがあると、企業・個人であっても、ビジネスとして成功させたい、発信したい情報がある、このような目標や目的を達成するための非常に重要なツールとなっています。
オウンドメディアでは、自分たちが発信したい情報を、自分たちが求める人に向けて発信することもできるため、無限大の可能性をもつ媒体と言えます。
オウンドメディアの他にもメディアがある?
オウンドメディアの他にも実は、アーンドメディア・ペイドメディアと呼ばれるメディアが存在しています。
それぞれ特徴が違うため、オウンドメディアを始める前に、まずは各メディアの違いを知っておきましょう。
メディア | 詳細 |
---|---|
オウンドメディア | ・ホームページ ・ブログ ・パンフレット ・名刺 ・カタログ ・動画 等など、企業・個人で所有している、情報を周りの生活者に伝達するための媒体のことを指します。 |
アーンドメディア | ・Twitter ・Google+ 等など、SNS関連の媒体のことを指します。 |
ペイドメディア | ・テレビ ・新聞 ・ラジオ ・雑誌 ・web広告 等など、企業・個人が費用を払って生活者に伝達するための媒体のことを指します。 |
オウンドメディアの始め方
オウンドメディアを始める為には、知っておきたい3つのフェーズ(段階)が存在しているため、各フェーズで大事なことを一緒に見てみましょう。
STEP01:オウンドメディアを始める前に大事な事
始める前
STEP02:オウンドメディアを作る前に必要なこと
作る前
STEP03:オウンドメディアを作るために必要なこと
作るため
STEP01:オウンドメディアを始める前に大事な事
あなたがオウンドメディアを始める前に、大事な事がいくつも存在しています。
私自身、オウンドメディアの運営を任せてもらい、一人で始めましたが、社内の誰もノウハウを持っている人がいなかったため、全て自分一人で色々調べながら進めていきました。
進めていく内に、最初にきちんと考えておけばよかった事や、これ必要だよねと言ったものが見えてきたので、あなたにも共有したいと思っています。
知っている人からすれば基本かもしれないですが、オウンドメディアを始める方にとっては、基本をしっかり覚えてもらい、活用頂ければと思います。
目的・テーマを定める
まず一番最初に、オウンドメディアの目的やテーマを決めましょう。
本来であれば最初に競合調査や市場の分析などから入るべきだと思うのですが、オウンドメディアでは継続性・愛着といったものが非常にポイントとなってきます。
そのため、あなたの会社が得意としている事や、あなた自身が興味あるテーマを選び、また、なぜオウンドメディアを必要とするのか、しっかりと考えてみてください。
「仕事だから仕方ない」「広告収入が入りやすいから」このような、曖昧な気持ちで初めてしまうと、結局続かずに愛着も湧かないまま、更新がストップといった事が絶対に起こります。
オウンドメディアを始めるからこそ、あなたが得意・好きなものを選び、継続して関わっていけるテーマを選ぶことから始めましょう。
ビジネス
あなたがビジネスを成功させるためにオウンドメディアを始めようとしている場合、忘れてはいけない事が3つあります。
- 売り込みすぎは避けられる
- 利益優先は悪い利益が積み重なる
- 生活者の満足無しでは成功しない
ビジネスでオウンドメディアを始めようとする場合、必ず誰もが「売り込み」の誘惑に負けてしまい、生活者の事を見ず、自分たちの事ばかりを考えたオウンドメディアになってしまいます。
また、ビジネスでオウンドメディアを始める場合、利益などを求めていく関係で、数字ばかりに気を取られてしまい、本質を見失った状態で運営が続く恐れがあります。
オウンドメディアは確かにビジネスを成功させるために必要不可欠なツールではありますが、ビジネスの成功の裏には生活者(企業・個人)の満足が欠かせない存在。
生活者の事を見ずに進めようとすると、悪い利益が積み重なっていくか、オウンドメディアの失敗、どちらかになる事をあなたに知ってほしいと思います。
悪い利益って?悪い利益とは、法外な手数料をとったり、契約の際に無駄にオプションをつけて、そのまま解約させず利用料を搾取したりと、生活者ではなく自分たちの利益だけのために行った事によって得られた利益です。
これらの利益は生活者の満足度を下げる事に繋がり、長い目で見たときに成長する事を非常に難しくする要因にもなります。
個人
あなたが個人の趣味やブログなどのためにオウンドメディアを始める場合は、以下の3つに気をつけてみてください。
- オウンドメディアを始めたいと思ったキッカケを忘れない事
- 続けられるテーマかどうか
- 何のためのオウンドメディアか
「毎日5記事は作らないとだめ!」「1日も休んではいけない!」こういった決まりは一切ありませんが、あなたにはオウンドメディアを始めたいと思った「キッカケ」があるはずです。
その「キッカケ」こそが、継続して続けられる原動力にもなり、継続する事で得られるPVやセッションなどのアクセスの増加が、さらにあなたのモチベーションを高めてくれる栄養源にもなります。
せっかく始めるのなら、あなたが少しでも楽しめるオウンドメディアを考えていきましょう。
目標設定
オウンドメディアの目的やテーマを決めたら、オウンドメディアを始めるにあたっての目標を決めましょう。
目標を立てる際に、誰しもが陥ってしまうのが、PV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)などのアクセス解析の数で目標を立てしまうことです。
確かにアクセス解析を元に目標値を決めるのは問題ないですが、決めた目標の数字取りが目的に変わってしまい、本来求めている位置から外れてしまう事がよくあります。
また、目標を決める際には数値が使われやすいですが、数字はあくまでもただの数字であり、数字の裏に隠れている生活者の満足度や気持ちを見つけ出す事が大切です。
そのため、目標を設定をする際は、NPS(ネット・プロモーター・スコア)と呼ばれる、生活者があなたのオウンドメディアを推奨する度合いの数値を目標にする事がオススメです。
海外では現在主流となっているNPSという評価数値ですが、私も自分が運営しているポータルサイトにNPSを取り入れ、目標数値の設定を行っています。
NPSの良いところは、簡単な質問で定量的・定性的の両方の情報を取得でき、さらにオウンドメディアの成長率とNPSの推奨度の数値との関係性が高いという点です。
海外ではすでに成長率とNPSの推奨度の関係性が証明されており、私も推奨度が高くなるごとにオウンドメディアの成長を実感しています。
目標設定に困ったら、NPSを目標数値とするのがオススメです。
NPSって何?NPSとは、利用者の推奨度を計り、施策の打ち手を見つけ出すための効率の良いシステムです。
NPSを実施すると、本当の生活者視点を手に入れる事ができ、また事業やオウンドメディアの運営自体、生活者を最優先にした方針に切り替える事ができるシステムです。
つまり、生活者を一人の人として大切に扱うという事を基礎にしてサービスやオウンドメディアの運営を行う方法となります。
競合調査
テーマや目標を決めたあとに、初めて競合調査をする事をオススメしたいです。
競合調査をする事によって事前に決めていたテーマや目標の達成が叶わないとなっても大丈夫。
先に競合調査をしてから、範囲を絞ってオウンドメディアのテーマや目標を決めた方がいいと思う方が大半かと思いますが、最初から限定された中でのみ探そうとすると、どうしても苦しくなって、結局は続けられないオウンドメディアになる可能性が高まります。
このサイトでは、オウンドメディアの成長を楽しむための情報であるため、あなたが楽しいと思い、オウンドメディアの成長を嬉しいと感じてもらえるようになってもらいので、わざとあなたの好きなテーマから決めてもらう形をとらせてもらっています。
人間好きな事や興味がある事だと、通常の何倍も楽しみますし、続けることもできます。
たとえ競合調査をして、今回決めたテーマで勝ち目がないとわかったとしても、まずあなたが「したい事」「望んている事」を最初に出しておく事で、後で後悔などせずに、オウンドメディアを継続できるようになります。
ターゲット策定
定めたテーマや目標に対して、”いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どのように”の5w1hを基本とした考え方をすると、ターゲット策定がしやすくなります。
本当は一人の人に対してだけターゲットにできればいいのですが、オウンドメディアは多くの人に向けたものになりがちで、誰に対しても共感を得るものを作ろうと思うと無難なものになってしまい、結局見向きもされずに世の中の溢れている情報に埋もれてしまいます。
そのため、しっかりと誰に向けてのオウンドメディアかを考える必要があります。
また、人はシンプルなものを好みやすく、何事においても複雑さを敬遠しますが、人の心は複雑であり感情や知識や情報が幾重にも重なり合っています。
そういった人の複雑さもしっかり考慮に入れたターゲット策定をする必要があります。
いつ(When)
ターゲットとする方々は、あなたのオウンドメディアを「いつ」見てくれるのでしょうか。
もしあなたがマーケティング関連の情報を発信するオウンドメディアを始めようと思っている場合、ターゲットとする生活者の方々は、日中のお仕事中にあなたのオウンドメディアを訪れるかもしれません。
そういう想定ができると、コンテンツの更新は日中に行うといった選択ができ、ターゲットに読んでもらいやすくなる可能性が高くなります。
ターゲットとする生活者が「いつ」あなたのオウンドメディアを訪れてくれるのかを考えていきましょう。
どこで(Where)
ターゲットとする方々は、あなたのオウンドメディアを「どこ」で見てくれるのでしょうか。
通勤中や仕事中もあれば、お家でテレビを見ながらスマホ片手に流し読みをしている事もあります。
ターゲットとする生活者の方々が「どこ」で見るのかを意識すると、流し読みをしている状況が強ければ、長い文章ではなく細かく切って要点を伝える形でコンテンツを作った方が喜んでもらえると思います。
もし、仕事中に会社のパソコンで見てくれているのであれば、仕事中なので急いで探しものをしていることも考えられ、素早く内容を把握できたり、コピペができる状態のコンテンツにしてあげる必要もあります。
ターゲットとする生活者が「どこ」であなたのオウンドメディアを訪れてくれるのかを考えていきましょう。
だれが(Who)
ターゲットとする方々といっても範囲が広すぎるので、もう少し範囲を絞って「だれが」あなたのオウンドメディアを訪れてくれているのかを考える必要があります。
例えば会社員と一言で言っても、新入社員・中堅社員・社長・web担当者等など、会社員として捉えるだけではあまりにも範囲が広すぎます。
さらに、そのターゲットとする生活者が、あなたのオウンドメティアのテーマに関しての知識をどれだけ知っているのか、学んできた過程なども含めて「だれが」といった情報を確認する必要となります。
この「だれが」という情報は、後ほどのペルソナ作成にもかなり重要な要素となっているため、「だれが」を調べるためにトコトン生活者の情報を深く探していきましょう。
なにを(What)
ターゲットとする方々は、あなたのオウンドメディアで「なにを」知りたい・解決したいと思っているのでしょうか。
あなたのオウンドメディアのテーマがデザインの場合、ターゲットとする生活者がデザインの何について知りたいのかを深く考えなければいけません。
webデザインなのか、エディトリアルデザインなのか、プロダクトデザインなのか。
また、ターゲットとする生活者がデザインの作り方を知りたいのであれば、デザインの作り方のコンテンツが必要となります。
ターゲットとする生活者が「なにを」求めているのか理解し、それに対して最適な形でコンテンツを提供できると、オウンドメディアの成長は加速します。
なぜ(Why)
ターゲットとする方々は、あなたのオウンドメディアを「なぜ」訪れてくれたのかを理解しなくてはいけません。
そもそもオウンドメディアに訪れてくれるということは、何かしらの情報を探したい・問題を解決したいといった気持ちを、ターゲットとする生活者の方々は持っています。
「なぜ」の部分を深く知り、ターゲットの「なぜ」を解決できるようなコンテンツの作成が必要となってきます。
ターゲットとする生活者の「なぜ」を知り、あなたのオウンドメディアの満足度を高めましょう。
どのように(How)
ターゲットとする方々は、あなたのオウンドメディアを「どのように」して訪れるのでしょうか。
オウンドメディアがwebサイトであった場合、パソコンで?スマートフォンで?タブレットで?街のサイネージで?等など。
あなたのオウンドメディアが「どのように」して見られるのかを知らなくてはいけません。
もしスマートフォンが多いのであれば、スマートフォンのUI改善を優先的に行ったり、ターゲットとする生活者が「どのように」あなたのオウンドメディアを見るのかを考えなければいけません。
ペルソナ作り
オウンドメディアのユーザビリティやファインダビリティなどのテストをする時、想定した条件の人を呼んで、指定の場所にきてもらって実施する。
こういったことを生身の人間相手に行おうとすると、時間もお金もかかってしまいます。
ペルソナといった、ユーザーテストをしたり、実際の生活者の事を深くしるため、仮想の人格を与えた生活者を作り出す必要があります。
しかし、仮想の人格を与えた人物を作ったとしても、ペルソナをただ作るのが目的ではなく、ペルソナを作る本当の目的は、ターゲットとする生活者を深く深く知ることにあります。
ペルソナを作り出すことで、ターゲットとする生活者の、朝起きた時・普段の生活風景・悩み等など、細かい行動一つ一つを想像できるようになります。
オウンドメディアを始めるためには、ペルソナ作りを行い、深く深くターゲットとする生活者のことを知る必要があります。
ペルソナを作っただけで終わってしまっている事も多い場合もありますが、ペルソナこそオウンドメディアを始めるため・育てるために最大の効果を発揮するものなので、ぜひあなたにもペルソナ作りをしてもらいたいと思います。
カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップを作成した経験がある方もいるかもしれませんが、カスタマージャーニは生活者の行動・感情などを時系列で追っていき、目で見えるものとする事です。
しかし、生活者一人一人が通る道筋や行動は違うため、一般的で誰にでも当てはまるような無難なカスタマージャーニーを作ろうとすると、ターゲットとする生活者とは合わなくなります。
また、オウンドメディアを始めたらカスタマージャーニーマップは常に進化をさせていかなくてはいけません。
継続的にカスタマージャーニーマップを改善できる体制を作り、オウンドメディアを始める前に生活者の行動把握をしておきましょう。
メディアの人格作り
「メディアの人格?」この言葉をもしかしたら疑問に思うかもしれませんが、オウンドメディアにおける人格作りはとても大切です。
オウンドメディアを1人の人として捉え、話し方・性格など一貫した伝え方を守ることで、目標を達成するための成長要因にすることもできます。
例えば、言っていることが毎日違う人よりも、言っている事の軸がぶれずに毎日伝えてくれる人だったら、どっちを信用しますか?
コロコロ言うことが変わる人より、一貫して伝える事が統一している人の方が信用度は高いです。
オウンドメディアにおけるブランド形成にも、非常に役立つことでもあるため、ターゲットとする生活者の方に対して、どのような人格をもって接していくのかを考えましょう。
メディアの名前決め
オウンドメディアの名前決めは、非常に重要なポイントです。
例えばテーマがデザインのオウンドメディアの場合、まったく関係のない「きゅうりのブログ」などと野菜の名前を使ったメディア名にしてしまったら、デザインの情報を伝えたいのにその連想ができず、結局失敗するオウンドメディアになる可能性もあります。
オウンドメディアの名前は非常に重要であり、あなたがオウンドメディアで伝えたい内容に関連しそうな名前を付けてあげることで、ターゲットとする生活者の方々に対して、覚えてもらいやすくもなります。
STEP02:オウンドメディアを作る前に必要なこと
オウンドメディアを作る前には、サイトの構成をどうするのか、どんなキーワードでコンテンツを作っていくのか。
また、運用をしてく際にどういった基準で分析をするのかなど、制作から運用までを考えた、オウンドメディア作りをする必要があります。
どれも大事なものなので、私と一緒に覚えていきましょう。
サイト構成の策定
サイトの構成の仕方で、デザイン・コーディング・コンテンツ制作等も変わってきます。
例えば、以下のような構成。
パターン1
- トップページ
- 下層ページ1
- 下層ページ2
- 下層ページ3
- コラムページ
- テーマ1
- テーマ2
- テーマ3
- テーマ4
- テーマ5
- テーマ6
- テーマ7
- テーマ8
- テーマ9
- テーマ10
このパターンは、コンテンツ更新用のディレクトリを1~2つ作り、そのディレクトリに対してテーマが違う内容をどんどん更新していくパターンです。
現在、私が運営に携わっている業者と生活者とのマッチングサイトにて、このサイト構成にする事によって、月間検索ボリューム2000件以上のキーワードで以下の結果が出ています。
- 1位:屋根塗装
- 1位:外壁塗装 相場
- 1位:屋根修理※サーチコンソール:2018年2月7日~3月6日までの計測結果です。
パターン2
- トップページ
- テーマ1
- テーマ1-1
- テーマ1-2
- テーマ1-3
- テーマ1-4
- テーマ2
- テーマ2-1
- テーマ2-2
- テーマ2-3
- テーマ2-4
- テーマ3
- テーマ3-1
- テーマ3-2
- テーマ3-3
- テーマ3-4
- テーマ1
このパターンは、1つのテーマに対してどんどん階層を深く作っていく構成であり、まだ試したことが無いのでハッキリ結果をお伝えすること現状のままだとできませんが、このMother Mediaで実践してみるので、効果や結果が分かり次第みなさまにも共有をさせていただこうと思っています。
しかし、この構成だと特定キーワードに対してコンテンツを作っていく形なので、SEOの効果も高いと考えているため、どのような結果が出るのか楽しみです。
キーワード調査
オウンドメディアの生命線とも言えるコンテンツ制作のための最重要項目です。
知ってる人も多いと思いますが、キーワード調査では以下のようなツールを使うと便利です。
- Google キーワードプランナー
- Googleトレンド
- Google検索のオートコンプリート
- Googleの検索ページの下にある関連する検索キーワード
ほとんどGoogleさんのものになりますが、キーワード調査を行いあなたのオウンドメディアに関連するキーワードを全て抜きだしてみましょう。
「…全部ですか?」「…はい、全部です。」
月間検索ボリュームの大きいキーワードだけでなく、検索ボリュームの小さいキーワードもしっかりを確認しましょう。
キーワードというものは、生活者の意識に上がってこなければ検索フォームにその言葉を入力できないので、キーワード全てが顕在的なものとなります。
しかし、生活者が思い出せなかったり、なかなか言葉にできないものは、生活者の無意識に眠っているキーワードとなります。
他のオウンドメディアはすぐに思いつく顕在的なキーワードのみ対応している事が多く、未だ眠っているお宝キーワードがたくさん残っている事があります。
そのため、調べられるツールで一旦全てのキーワードを抜き出し、足らないキーワードをあとで加えて、あなたのオウンドメディアだけのキーワード表を作りあげましょう。
このキーワード表があることで、あなたのオウンドメディアの強い味方となってくれるのは間違いありません。
キーワード選定
あなたのオウンドメディアに必要なキーワードの抜き出しが完了したら、次はどのキーワードを使ってコンテンツ作りを始めるかを考えないといけません。
オウンドメディアを始めたばかりなのに、いきなりBIGワードと呼ばれる、月間検索ボリュームが大きいキーワードからコンテンツを作りだしても、なかなか成果が出ず苦労します。
当然、他社やライバルはあなたのオウンドメディアより先に、BIGワードでコンテンツを作り、すでに上位表示を獲得しています。
検索の上位に表示させるためには、様々な改善や施策を行ったからこそ、その地位にまでなっているため、始めたばかりのあなたがどうやって勝とうとしても難しいものがあります。
他社やライバルがまだ手を出していない、月間検索ボリュームが低いキーワードを選び、確実に上位を狙っていけるところから始める方が、地道ですが確実に成長するためのやり方になります。
また、キーワードというのは、生活者のお悩みそのものを表しています。
インターネットで気になる言葉を検索するというのは、解決したい・不安を解消したいといった生活者の思いが必ず入っているので、お悩みや不安が強いキーワードの方が生活者からの反応は多いです。
こういった生活者の内面も深く関わってくることを覚えておくと、必ずオウンドメディアの運営で役立ちますので、覚えておいてほしいです。
分析基準の策定
オウンドメディアを始めるなら、アクセス解析を行いながら、問題点を洗い出し施策を打ち出すことが必要なため、しっかりと分析ができる体制も整えておく必要があります。
- 無料:Google Analytics(グーグルアナリティクス)
- 無料:Search Console(サーチコンソール)
- 有料:各種AIサービス
- 有料:各種ヒートマップ
まずは無料のGoogle AnalyticsとSearch Consoleは必須で使えるようにしておきましょう。
Google Analyticsでは、オウンドメディア全体でどのページにどんな人が何分見てくれているのか、こういった生活者の行動一つ一つが数値になって確認できる便利なツールです。
Search Consoleでは、ページのインデックス数や該当キーワードがどのくらいクリックされているか、他にもタイトルやメタ情報の不備なども知らせてくれる便利なツールです。
基本的には、Google AnalyticsとSearch Consoleの2つは必須で使えるようにしておき、数値の計測をしていきます。
また、あなたのオウンドメディアの目標に沿った分析基準を定めることによって、目標の達成を加速させます。
訪れてくれた一人ひとりの生活者の満足度に関連する目標であるならば、ページビュー(PV)などではなく、1ページの滞在時間を元に生活者の満足度を測ってみる。
このように、あなたのオウンドメディアの目標によって、分析する数値や視点が変わってくるため、しっかりと分析基準を定めておきましょう。
運用体制の策定
特に企業でオウンドメディアを始める際、さまざまな人が関わってきます。
デザインを担当する方、アクセス解析を担当する方など、誰がどの範囲を対応するのかきっちりを決めておかないといけません。
中小企業のオウンドメディアであれば、デザインもアクセス解析なども1人いれば対応できてしまいますが、オウンドメディアを成長させるという点でみれば、関われる人=人的リソースが多いほうが成長が早いです。
しっかりと関わる人の対応範囲を決めて、それぞれが最大のパフォーマンスを発揮できるように運用体制を整えておき、オウンドメディアの成長の足を引っ張ることがないようにしましょう。
PDCAサイクル策定
PDCAとは、計画して作り上げたものを良くしていくために、継続的な改善を行うための施策です。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
「オウンドメディアをやろう!」と思った時は、それなりの熱意やエネルギーが溜まっているいるので、計画から実際にオウンドメディアの作成まで楽しく進めていけます。
しかし、オウンドメディアを運用していると、途中で行き詰まったり、別のことに意識が持って行かれ、継続的に運用できなくなることが多々あります。
そうなった場合、PDCAのサイクルが滞り、オウンドメディアの成長を促すこともできなくなります。
オウンドメディアでは継続的な改善が必要不可欠なので、初めから運用前提で物事を決めていくようにしましょう。
改善のための仮説
PDCAをしっかり回していくと、当初想定していた課題だけでなく想定していなかった課題もどんどん見つかってきます。
そういった課題を解決するために、改善をするための仮説を立てていきます。
生活者の行動・気持ちをアクセス解析から読み取り、それを元に改善を行うための仮説を立て、実行~評価~改善を繰り返しましょう。
SNSアカウント作成
オウンドメディアとSNSは、ターゲットにもよりますが非常に相性の良い組み合わせです。
オウンドメディアで更新したコンテンツを、Twitter・Facebook・Google+に発信し、発信したコンテンツが評価をされると、生活者が他の人にも自分が良いと思ったことを広めようとしてくれるため、あなたのオウンドメディアがどんどん拡散されていきます。
オウンドメディアでは、検索ブラウザでの自然検索が主な流入口となりますが、SNSを上手く利用することで、別の流入口ができあがり、より多くの生活者に見てもらえるようにもなります。
オウンドメディアを始めるためには、SNSもセットで始める形がオススメです。
STEP03:オウンドメディアを作るために必要なこと
オウンドメディアを作るためには、オウンドメディアを置いておける場所を作ったり、見た目や仕様を考える必要があります。
必要なことを予め把握しておくことで、抜け漏れのないようスムーズにオウンドメディアを作る体制を整えましょう。
サーバーの選定
サーバー | お試し期間 | 費用 | 容量 |
---|---|---|---|
Xサーバー | 10日間 | 900円〜 | 200GB〜 |
ロリポップ | 10日間 | 100円〜 | 10GB〜 |
さくらインターネット | 14日間 | 129円〜 | 10GB〜 |
heteml(ヘテムル) | 15日間 | 800円~ | 200GB〜 |
Xdomain | 無料 | 1GB〜 | |
カゴヤ・ジャパン | 14日間 | 1,080円〜 | 100G〜B |
ドメインの取得
サーバー | 価格 |
---|---|
Xサーバー | 1,620円〜 |
お名前.com | 1円〜 |
ムームードメイン | 69円〜 |
さくらインターネット | 1,852円〜 |
バリュードメイン | 629円〜 |
CMSの選定(コンテンツマネジメントシステム)
CNS | 詳細 |
---|---|
Movable Type(ムーバブルタイプ) | 国内でのCMS市場で評価が高いCMSになります。オウンドメディアを商用として活用したい場合は、セキュリティも高く信頼性も高いMovable Typeがオススメです。 |
WordPress(ワードプレス) | 比較的導入も簡単で、オープンソースなので、誰でも利用できるのが特徴です。カスタマイズや豊富なプラグインもあり、人気のCMSとなっています。 |
はてなブログ | CMSではないですが、ブログなど簡単に記事を更新するのであれば、難しい知識なども不要なため、はてなブログがオススメです。 |
アメブロ | サイバーエージェントが運用しているブログツールになります。有名人も多く利用しており、人気の記事更新ツールとなっています。 |
NOREN(のれん) | 国内の大手企業も自社サイト、つまりオウンドメディアでの利用も多く、人気のCMSとなっています。 |
Drupal(ドルーパル) | 世界中で利用されているオープンソースのCMSになります。セキュリティも高く大規模なオウンドメディアに向いているCMSですが、日本語での説明が少ないため、導入のハードルが高いです。 |
JOOMLA | インターネットブラウザで簡単にホームページが作れてしまうCMSです。比較的自由度の高いカスタマイズが行えるので、あなただけのオウンドメディアを作るのに便利です。 |
JIMDO | ドラッグ&ドロップで簡単にホームページが作れてしまうCMSです。小規模サイトだったり構築のための基本的な知識がない方でも利用できるのが特徴です。 |
デザイン
オウンドメディアのデザインでは、以下の3つを基本とするのがオススメです。
- 見やすさ
- 使いやすさ
- 独自性
オウンドメディアに訪れる生活者のことを考えてみてください。
欲しい情報があるからこそ、わざわざインターネットを使ってまで調べようとしています。
インターネットで検索して出てきたのがあなたのオウンドメディアだった場合、クリックしてページを見ようとした際に見づらかったらどうなるでしょうか。
見づらくてもほしい情報があれば見ようとしてくれはしますが、そうではない方々は見えづらいとすぐに他のページへ移動してしまうでしょう。
インターネットで情報を探す人は、何らかの不安があるからこそ情報を探していますので、できるだけ早く・すぐに情報を知りたい気持ちの方が大半です。
見やすさや使いやすさは、インターネットを使ってあなたのオウンドメディアに訪れる生活者に対しては必須の要件であり、さらにあなたのオウンドメディアを覚えてもらうために、独自性を出すために、ロゴ・色などにもこだわって、生活者に覚えてもらえるデザインを目指しましょう。
コーディング
CMSを使ったりhtmlで1ページずつ作っていくのでも大丈夫ですが、オウンドメディアを作る際のコーディングでは、html・CSS・javascript・php・cgiなどのマークアップ言語を使います。
マークアップ言語は、Googleなどにも読みやすいくて分かりやすい構造でコーディングを行い、Google側でページの評価を行うためのシステムが読み取りやすい形を作らなければいけません。
コンテンツ制作(ライティング)
コンテンツ制作では、事前に行ったキーワード調査や分析を元に、テーマに沿った内容で文章に書き起こしていきます。
文章も、STEP1の時に出てきたオウンドメディアとしての「人格」に沿って、文章も作ります。
文章量
コンテンツ制作をする際、文章量はどのくらいを目安に書けば良いのでしょうか。
1000?2000?どれも数値的には確証のないものなのですが、題材にしたキーワードの内容で生活者に対して120%以上の満足を得てもらうためには、様々な言葉を使い補足なども付けて作らないといけないため、それなりの文章量が必要となります。
私がコンテンツ作成を行う場合は、どんなに減らしても4000文字くらいにはなってしまうので、私自身はこの4000文字を最低ラインにしています。
文章構成
検索してまでも探したいと思っているため、入力されたキーワードには生活者の悩みや不安な気持ちが入っています。
悩みや不安というのは、そのままにしておけず、すぐに解決したいという気持ちが生活者の中に生まれているため、求めている答えをすぐに見たいといった状況があります。
そのため、まずは一番最初に生活者が求めている結果を見せてあげます。
見せられた結果についてもっと詳しく知りたい人のために、結果を一つ一つ分解して細かく説明していく文章構成がオススメです。
- デザイン関連の記事
- メディアのUIとUXは切っても切れない関係、生活者思考のデザインが必要。
オウンドメディアを始める前に考えておきたい事
オウンドメディアを始めるためには、あなたが個人であればそこまで大変ではないですが、企業が作るとなると色々な部署が関わったり社長の判断でいきなり方針が変わったり大変なこともあります。
また、今の世の中は情報がたくさんありすぎてしまい、あなたが何かを発信したくても、他の情報に埋もれてしまいすぐに届けられないことが大半です。
こういった状況を解決するためにオウンドメディアがあなたの力になってはくれますが、オウンドメディアを作ったらそれで「OK」とは言えず、常に手をかけ育てていかなくてはいけない。
企業・個人関係なく、常にライバルたちがしのぎを削ってオウンドメディアを育てているため、1日も気を抜けない日が続くという意味でもあります。
そのため以下のような方が、オウンドメディアに向いていると私は考えています。
- 継続的に関われる方
- メディアの成長を喜べる方
- メディアの利用者の喜びを考えられる方
特に、オウンドメディアを運営していると、ダイレクトに批判や反感を受けることもありますが、それ以上に利用者の声や喜びを聞くことができ、これをモチベーションに転換できる方が向いていると思います。
また、オウンドメディアを子どもだと捉えてみると、成長させるための施策やタイミングなども図りやすくなるため、こういった考えがもてる方も、オウンドメディアの運営にオススメです。
オウンドメディアを始める楽しさについて
オウンドメディアを始めるためには、たくさんの知識や情報が必要となり、あなたが行った施策の効果がなかなか出ないこともたくさんあります。
私自身もオウンドメディアの運営を1人でやらせてもらった時は、自分が行った施策で効果がなかなか出ないため、しかもそこにかなりの時間を使っていたため、社内の人たちからは「あの人何してる人?」と白い目で見られていました…。
しかし、自分が行った施策の効果が出始めて、オウンドメディアの成長を少しずつ感じられるようになり、その結果を元にさらに改善を繰り返していく内に、どんどんオウンドメディアが成長していきました。
何事においても辛いことはたくさんあると思いますが、どんなに成長が遅くても、1日1mmの成長であっても、成長を喜べるマインドが持てると、本当に仕事も楽しくなりオウンドメディアへの愛着も高まっていきます。
このサイトでは、私が経験したり感じた「オウンドメディアへの無償の愛情の注ぎ方」をみなさまにお伝えするためのものなので、参考になる部分があれば役立ててもらえると嬉しいです。