先日会議をしていたら、とんでもない言葉が出てきた。
「〇〇さん赤字の意味って、分かりますか?」
普通にみんながいる前で、こんなことを聞く上司、パワハラ以外の何物でもありません。
私が実際に体験したことではなく、これは社内の別チームの会話が入ってきたものですが、その部署は毎回上司ばかりが残り、部下だけが辞めている問題部署。
噂には聞いていたけど、まさかこんなに酷い状態だとは思わなかったので、正直驚きを隠せません。
もしあなたが上司に対して我慢しているなら、本当のパワハラ上司は、普段どのような言動を繰り返すのか、チェックしてみませんか?
パワハラ上司の特徴
言動をチェックする前に、パワハラを行う上司の特徴を理解しておきたいと思います。
- 自分がパワハラをしていると思っていない
- 役職に与えられた権限を自分の権力だと勘違いしている
- 周りの人からは評価が高いけど自部署からの評価が最悪
- 部下ではなくすべて上司都合で話を進めようとする
- 部下の退職サイクルが早い
- 役職を持たされている期間が長い
そう、これは社内で長年放置されているパワハラ役職者の特徴。
周りの部署の人は、コミュニケーションが少ないので、まだ気づけていませんが、普段コミュニケーションをとっている部下には、だんだんと本心が出てくる、または「部下」という自分の支配下の存在だと認識した時点で、権力を振りかざしていいと考えている。
思考回路がそもそも違っています。
そこへ無理に対抗しようとしても、周りは上司のやばさを分かっていないので、いくら言っても取り合ってもらえない。
または、さらに上の役職者にはいつも自分を守るような耳障りのいい報告ばかりをしていると、たとえば社長さんとかは現場ではなくパワハラ上司を信用してしまう。
負のループが完成している状態です。
この牙城を崩すには骨が折れますし、そこまでして改革したい・改善したいと思える会社でなければ、辞めてしまった方があなたのためかもしれません。(パワハラ上司のもとにいた、仲のいい方はその部署を先日退社しました…)
パワハラ上司は人として心を失っている
たとえば、まだ入社したばかり、たまに優しい、または自分のミスが続いたりしていると、上司からキツイ言葉を投げられても「自分が悪いのかもしれない…」と自責の念が強すぎる方もいて、パワハラだと気づけていない場合も。
しかし改めて考えてみてください、どんなに失敗・ミスをしてしまっても、人格否定をしたり、ネガティブな発言ばかりをするのは、正しいことでしょうか。
「そんなこと言う?」と、理性がはたらいて喉まで出かかったとしても、発することはしません。(私なら…そう思っている…)
ネガティブで相手を傷つけるようなことを平気で言えるような上司は、人の心を持っていない。
言葉は兵器にもなり得る。
実際に、どんな言動をしているのが「パワハラ上司」だと言えるのか、次のチェック項目を確認してみましょう。
パワハラ上司かチェックするための言動(行動)
もしかしたらパワハラかも?と思っているけど、自責の念によって「違う違う、私のために言ってくれているんだ」と頭をふりふりした経験があれば、一度どんな言動がパワハラなのか確認してみませんか?
まずは前提として、「パワハラ」という言葉は、上司との信頼関係がなければ、どんなこともパワハラ化する取扱いが難しい言葉なので注意が必要です。
それを踏まえた上で、下記を見てみましょう。
人格否定をする
「性格が悪いから受注できないんじゃないの?」
「今まで、どんな育ち方してたの?」
「普段からネガティブだから、ミスするんじゃないの?」
人格・性格・内面、このようなあなた自身を引き合いに出して、罵倒してくる場合は、パワハラだと思って頂いてもいいかもしれません。
そもそも、仕事において何事もうまく進めるのは難しいため、ミスや切り返しが前提となって進めるもの。
1度の失敗を、この世の終わりかと思うくらい追及してきたり、備わっている身体的・精神的な部分と紐づけて、あなた自身を悪者にしてくるのは間違った行為です。
パワハラ上司の狙いはただ一つ、あなたの下に見て悪者にして自分が上に立ちたいだけ。
周りと比較する
「〇〇さんは、あなたと違って優秀だよね~。」
「なんでこんな事もできない?〇〇さんはいつも完璧だよ。」
「はぁ~1回で覚えてくれる?〇〇さんのほうがあなたより頭いいよ。」
常に優秀な人、または上司にとって良い仕事をしている人と、比べてくる。
意外と気づきにくいのですが、他者との悪意ある比較は、パワハラと同じです。
たしかに人間、比較することで、自分の立ち位置・居場所を確認しますが、貶すことで比較を使ってくる上司もいる。
比較をするパワハラ上司の狙いはただ一つ、あなたを貶したいからだけ。
知識量の差でマウントしてくる
「〇〇の意味って知ってますか?」
「あれが~これで~そうなって~………」(延々と知識披露が続く)
「こんなことも知らないの?」
上司と部下、そこには務めている年数や、業界・業種に携わってきた経験(時間)などの差もありますが、その差を使って攻撃してくる場合もある。
知識量で自分のほうが上だと分からせる行為は、上司自身が精神的に気持ちよくなりたいだけ。
本来であれば、上司が部下へ教えることが正しい接し方ですが、知らないことをあざけ笑うような上司は、パワハラ認定しちゃいましょう。
権力を振りかざす
- 事前に組んでいたスケジュールを上司都合で無理やりずらす
- めんどくさい案件ばかりをふってくる
- 会議はいつも上司ばかりが話している
この他もたくさんありますが、役職に対して付与されている権限を、自分自身に与えられた力(権力)だと勘違いし、自分の思うように動けせると思っている、または動かそうとしてくる上司は、まさにパワハラ上司の典型的な存在。
会社から与えられた役職(ポジション)に対して、意思決定できる範囲が組み込まれているだけであるのに、なぜだかパワハラ気質の人は、権限を権力だと見誤ってしまう。
命令していい立場なんだ、人を動かせる立場なんだ。
勘違いも甚だしいですね。
会社都合を押し付けてくる
「社長がこう言ってるから」
「部長がこうしたいと言ってるから」
「会社としてもう決まったことだから」
たとえば、上司のさらに上の役職者の命令だから・指示だからと、上司自身が責任逃れをしようとして、他責になった発言になっていると、パワハラ気質の上司だと言えるかもしれません。
パワハラ上司のタイプにも色々あって、普段の言動が直接的なネガティブを生んでいる場合もあれば、本ケースのように自分の責任逃ればかりをしている上司も、結果的に部下へ責任を押し付けてくるので、パワハラがこっそり行われている場合もあるんです。
会社都合・社長都合・役職者都合を言い訳にした言動は、すごく気づきずらいのですが、結果的にあなた自身が被害を受けることになるので、パワハラにも該当してくると思っています。
言動全てに嫌味を含ませてくる
「前回も伝えたんですが…」
「あなたに頼まなければよかったよ」
「今日はちゃんと終わってから帰ってね」
嫌味に聞こえるようなことばかりを言われている場合、もしかしたらパワハラかもしれません。
受け手によって、事前の信頼関係によって変わってくるのですが、会社の売上・利益を伸ばす共通の目的をもって上司・部下(あなた)は、毎日業務に励んでいる状態ですが、その頑張りを否定したり、モチベーションを下げるようなことを言ってくる上司、本当に必要ですか?
上司の言動がなにもかも、気持ちをモヤっとさせる、嫌な気分にさせるのであれば、言葉に乗せてネガティブな感情をあなたに与え続けています。
だんだんと心が蝕まれていくため、体に不調が出てきたり、気力が沸かなくなったりと、生気を失っていく。
周りの悪口ばかり
「〇〇さん失敗したらしいよ、ざまぁ」
「ほんとこの会社はクソだな」
「周りバカばっかりだよ」
常に不平不満を垂れ流すだけでなく、聞きたくない人にまでそれを聞かせようとしてくる上司っていませんか?
さも自分が一番優秀だと言わんばかりで、周りの評価を落とそうとしている。
何かにつけてマイナス発言ばかりしている上司は、その会社だから、その職種だから、その役職だから発言できることで、井の中の蛙でしかない。
外に出てみると、本当はちっぽけな存在でしかないのに、虚勢を張って必死に自分の砦(役職)を守ろうとしている。
悪口ばかりの上司は、周りの影響も考えず、環境を悪化させる害悪でしかありません。
理詰め
上司のタイプにもよるのですが、対面が苦手な上司だと、メール・チャットなどテキストベースで、論文かと思うくらいの長文でぐちぐちと指摘し続けてくる場合も。
理詰めで一方的に悪者にしてくるのは、自分が正しいことを証明したいだけであり、そんなのは部下に対する愛情なんかではなく、自分のためだけ。
何を言っても反論され、昔のミスを掘り起こされ、常に過去しか見てくれない。
未来を一緒に見てくれない上司と、一緒に仕事をしてても楽しくありません。
自分を守る・正当化する言葉だらけ
「~だから私は悪くない。」
「~だったからしかたない。」
「~はあの人のせいだ。」
自分が悪いのではなく、悪いのはあなただ、または周りの誰かだ。
このように、上司が自分を正当化する言葉ばかりしてくるのも、パワハラと言えるかもしれません。
あなたに対してネガティブな言葉を投げてこないにしても、上司の責任逃れを聞いている部下としては、気分が悪くなりますよね。
言い訳であったり、素直に謝れない上司との仕事は、辛さしかない。
過去を引き合いに出す
「昔はこうだった…」
「これくらいできるだろう…」
「私のときはこうだったんだよ…」
何かにつけて過去はこうだったと、上司がたいへんだったころと比較してくる。
昔と今じゃ、状況がまったく違うので、仕事の進め方も変わるはずなのに、過去の栄光にすがった発言を繰り返す方もいます。
楽をするのが許せない…昔は大変だった…それを今の人にも押し付けようとする上司もいて、仕事が全然前に進めない場合もあります。
価値観の押し付け
- なんでも否定してくる
- 上司の考えにそぐわないものは全て却下
- 自分が絶対正しい
パワハラだと気づきにくいことの一つに、上司の価値観押し付け問題があります。
一見すると、一般論で語っていると思いきや、実は上司の中だけで構築された考えで、モノゴトがしゃべられていることもある。
たとえ上司が間違っていたとしても、絶対に間違いを認めようともせず、自分の考えの正しさに取りつかれて、押し付けようともしてくる場合も。
すべてが命令口調
「~してください」
「~しなさい」
「~するべき」
相手を尊重する素振りはなく、ただただ命令してくる上司もいます。
役職者は、部下を導く役割のため、会社からポジションを与えられて組織を動かすための存在であるのにもかかわらず、権限=権力だと勘違いして命令できる立場だと思っている方も。
相手を受け入れず、多様性も理解せず、自分の思った通りに動かない人は評価を下げる。
普段から命令口調の上司には、パワハラ気質があると断言できます。
自慢話が多い
- 過去の栄光・武勇伝ばかりを話す
- 有力な他者との繋がりをひけらかす
何かにつけて自慢をする上司っていませんか?
もっとも多いのは、仕事で打ち立てた過去の栄光ばかりを話したり、あの時はこんなに大変だった…などの武勇伝をずっと話のネタに出してくる。
酷いのは、自分ではなく繋がっている人脈の中から、有名企業や有名人の話を出して、さも自分が偉い人のグループだと思ってもらいたい発言が多い場合。
無理難題を押し付けてくる
「今日中に、これだけ終わらせてください。」
「今月は〇〇〇万円の売り上げをよろしくお願いします」
「今すぐに提出してください」
到底終わらないこと、または高すぎる目標を与えたり、無理難題を押し付けてくる。
やっかいなのが、それらを自分の責任ではなく「会社がこう言っているから」と会社責任にして、責任逃れをしている上司。
無理だと分かっているのに、肉体的にも精神的にもストレスをわざと与えようとしている場合、パワハラだと言える可能性が大。
会話がない
そもそも会話がない…無視をされている…メールやチャットの返答がまったくこない…。
コミュニケーションを意図的に拒否しているのも、パワハラだと言えるかもしれません。
話すのが苦手…なら分かりますが、返答を返さないなんてものは、あなたの仕事を遅らせる原因でもあり、それが意図的なのであれば権限(権力と勘違い)を使って圧力をかけているのと同じこと。
パワハラは役職に対する勘違いから始まる
厚生労働省が定義しているパワハラだと、
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。引用:パワーハラスメントの定義
役職を権力だと勘違いし、無理難題を押し付け、働く部下のことをまったく考えない場合に認定されます。
これまでパワハラだと感じやすい言動を色々取り上げてみましたが、言動例のすべてがパワハラになるかは、あなたと上司の関係次第。
発言例 :~してください。
好きな上司に対して:上司が困ってそうだからがんばろうかな
嫌いな上司に対して:はぁ、何言ってんのこの人
関係性が作れてない人から言われれば、そのすべてがパワハラだと感じてしまい、線引きもすごく難しいのが正直なところ。
しかしながら、上司は会社からポジション(役割)を与えられた人にしかすぎず、その人に対して権限を持たせたわけではなく、役職に対して動きやすい状態にしてくれただけ。
何を勘違いしたか、権限を権力だと思い、会社という小さい世界の中の権力者になると、パワハラが起きやすいのかなと思います。
そもそも、役職が与えられるのは会社経営を円滑に進めるためであり、組織を動かすためのかじ取り役を任されたのに、上司が楽をするために役職が使われている場合も多い。
一方的な関係性ではパワハラが起きやすいので、改めて言動例を見て頂いて、パワハラに遭遇してないか確認いただくのもお勧めです。
最後に。
パワハラは、誰にでも起こりえることで「まさか自分が…」こんな事が言ってられない状況でもあります。
もし被害に合っていると感じたのであれば、社内の相談窓口を活用する、それが無ければ相談機関に相談してみる。
何一つ我慢する必要はないため、あなたの心と体を守るためにも、まず一歩を踏み出していただくのがお勧めです。