
今回は、月間500万PVでおなじみの、株式会社LIGさんをご紹介。
Mother Mediaが”コンテンツマーケティング”の勉強にしたいサイトを、勝手にご紹介している企画。強いコンテンツマーケティングを生み出すコアストーリーを見つけるための記事になります。
下記の内容は、2019年11月18日時点の情報を元に、Mother Mediaが独自で調べた内容を元に掲載している情報となります。
「株式会社LIG」のコンテンツ状況
項目 | 詳細 | ||
---|---|---|---|
サイト名 | 株式会社LIG | ||
運営者 | 株式会社LIG | ||
サイトテーマ | 全世界70億人の100年分のLifeをGoodにさせること | ||
コンテンツテーマ | 【9つ】 Web制作・コンテンツ制作・ゲストハウス・コワーキング・教育・飲食・地方創生・経営・お知らせ/募集 | ||
集客方法 | ユーザーの共感・興味関心を呼ぶ企画やコンテンツを作ってインターネットで集客をする。webに限らずライフスタイルをうまく掛け合わせたコンテンツが多数。 | ||
ターゲット | 全世界70億人 | ||
PV /UU | 月間500万PV/250万UU | ||
合計記事数 | 7,554記事 | ||
1日の投稿平均 | 2.5〜3記事 | ||
月間の投稿平均 | 50〜60記事 | ||
インデックス数 | 約12,400件※ 検索コマンドの「site:」で調べた情報です。 | ||
※ 投稿平均に関しては2019年10月に投稿された記事を参考にしています。 |
記事数が7000を超えるのは相当なレベルです。
さらに自社スタッフだけでこの数を増やしていったのであれば、オウンドメディアの運営、さらにコンテンツマーケティングへの力の入れようが見て取れます。
コンテンツの型
項目 | 詳細 |
---|---|
基本コンセプト | 教育・営業・採用・収益・ファンを作るためのブログ |
書き手 | Blog:社内スタッフ、時々、社外スタッフ PR:LIGブログ編集部 |
使用画像 | 撮影写真・独自イラスト・写真素材 |
基本構成 | 著者紹介→リード文章→目次→結果→説明・根拠→まとめ→CTA |
文章 | スタッフさんごとで書かれているため一定の統一感はあるが個性はそのまま反映 |
文体 | ですます調 |
見出し | 細かく区切って見出しを作成 |
平均文字数 | 4,000〜5,000文字 |
PR記事では100,000文字レベルのものはありますが、基本的には平均して4,000〜5,000文字前後の文章量のコンテンツ。
文章構成も検索ユーザーのための形になっていますが、LIGさんのオウンドメディアは「社員ブログ」なので、各スタッフにある程度の裁量が持たされた状態で、コンテンツを作っている様子。
取得している上位キーワード
キーワード | ポジション | 月間ボリューム | 流入見込み |
---|---|---|---|
バナー案 | 1位 | 90,500 | 27,512 |
お中元 磁気 | 1位 | 40,500 | 12,312 |
メイドカフェ | 1位 | 18,100 | 5,502 |
webデザイン lig | 1位 | 14,800 | 4,499 |
インフォグラフィック | 1位 | 6,600 | 2,006 |
配色 | 1位 | 6,600 | 2,006 |
けん玉技 | 1位 | 5,400 | 1,642 |
gmail フォルダ分け | 1位 | 4,400 | 1,338 |
ご安全に | 1位 | 4,400 | 1,338 |
linked in とは | 1位 | 4,400 | 1,338 |
モーショングラフィックス | 1位 | 3,600 | 1,094 |
web 制作会社 | 1位 | 3,600 | 1,094 |
※ ubersuggestで2018年11月〜2019年10月末までのデータを元に掲載しています。 |
Life is Goodを掲げているように、web制作以外のキーワードでも上位を獲得。
また、「コンテンツマーケティング」というキーワードでLIGさんの記事を確認したところ、10記事くらいすぐに見つけられ、どれもキーワードとしては被っていない形になっています。
これだけ多くの記事数がある中で、キーワードの管理も徹底されているようです。
目的を達成するためのコンテンツマーケティング
LIGさんのブログは、きちんと目的が合って運営されています。
1. 教育のため
2. 営業のため
3. 採用のため
4. 収益のため
5. ファン作りのため
もっと詳しく知りたい場合は、『退けば老いるぞ。臆せば死ぬぞ』守りに入るのは100年早いよね。をご確認ください。
5つの目的において、どのようにコンテンツマーケティングが活躍しているのかを見てみたいと思います。
レベルを高め合う環境を構築
LIGさんでは、スタッフのみなさんでコンテンツを作っています。
もし、このコンテンツ作りを「外注したものを編集で整える」というフローで行なっていた場合どうなっていたのか。
外注:外注に出す→コストかかる→出来上がったものは自社やユーザーに思入れがない→編集入れる→編集に時間もかかりモチベーションも低下
内製:内製で書く→アウトプット→編集入れる→自社スタッフのだからモチベーションが上がりやすい→スタッフのインプットが多くなる→スタッフの成長へ繋がる
単純な図式ですが、大きく成果は変わっていたと思います。
自社でコンテンツマーケティングをすることによって制作品質が向上。
さらに、情報のインプット・アウトプットの習慣化で、
- 技術、知識レベルの向上
- 会社の歯車ではなく個人が主役となれる
- モチベーションの向上
また、記事の書き手が、社内スタッフが書いた記事の影響を受けたり、それをコンテンツに利用する循環もあるため、社内の技術・知識共有にも一役買っているのだと思います。※ 彼のこの記事を読んで、使い始めました。
今流行っているnoteなどにも記事が掲載されているかなと思って調べてみましたがなかったです。もしかしたらあるのかもしれませんが。。。
自社のメディアへ資産を集約させるという方針が貫かれているのかなと思いました。
自社が求めるお客様のみを引き寄せている
web制作をできる会社は、ものすごくたくさん存在しています。
会社という組織でなくとも、スキルを持っていれば個人でも請け負えてしまえるのがweb制作。
今ではwebサイトを簡単に安く作れるサービスや、ほぼ無料でもある程度のものが作れてしまえる時代です。
しかし、web業界では新しい技術は常に生まれはしますが、web制作に関して基本的な構造はそこまで変わっていない状態。
それならば、基本的なwebサイトはどこでも作れてしまえる、つまりどこに頼んでも同じだということになります。
発注先を決める際、見積もりをとりますが、取ったら取ったで、どこに頼んでも変わらないのであれば、あとは値段次第ですよね。
最初から値段の安さだけでしか見ようとしないクライアントしか集まっていなければ、LIGさんが制作実績としてあげられている、クリエイティブな”わくわく”するwebサイトは作れていなかったと思います。
目的としてはオウンドメディアに「営業」してもらうことを望んでいたと思いますが、選別せず誰でも引き寄せていたら、余計な対応にコストを払っていたはず。
そうなっていないのは、スタッフが楽しんでブログを書き、読み手は楽しんでいる様子をコンテンツから感じ取り、LIGさんに頼んだら面白いことができるのではないか、という”わくわく”を感じているから。
お金を使う行為は、そもそもマイナスに捉えられやすいのですが、コンテンツマーケティングによってユーザーさんとのエンゲージメントを高めたことで、マイナスからプラスの思考へと変えられたからこそだと感じています。
ここは詳細な内情を知っている訳ではないので、推測となってしまうのですが、コンテンツマーケティングによって、求めるお客様のみを引き寄せた結果が出ていると思います。
発注した後の関わりや制作品質のイメージができる
目的に沿ったお客様を引き寄せたあと、実際に契約まで進む必要がありますが、お金がかかるからこそ、そう簡単には契約を締結できるワケではないと思います。
仮にWEBサイトの制作をお願いしたいとなった場合、クライアントは制作スタッフ全員と会うはワケではなく、せいぜい営業・webディレクター・デザイナー・エンジニアのフロントに立つ4人。
実際に作業をしているスタッフとも会ってたり、やり取りをしていたら、それこそ業務フローが複雑になり、非効率な状態にもなると思います。
契約をするということは、目の前で会っている人たちへの信頼や会社への信頼を元に意思決定がされると思うのですが、大きなお金を使うので、どうしても不安は残ります。
発注側は制作側がどんな人か知らない、どんな知識があるのか分からない。
そんな状態で依頼をするのはリスクを感じますよね。
しかし、LIGさんの場合は、これら発注側の不安を以下2つの点をコンテンツマーケティングで解決しています。
- スタッフの見える化
- スタッフの技術レベルの見える化
コンテンツマーケティングは、ユーザーとのエンゲージメント(心や感情の繋がり)を強めていく側面もあります。
各スタッフさんが登場し、自分たちが持っている知識を定期的にアウトプット。
これらの情報を見ていると、誰がどんなことをしているのか、社内が見えてくるという事と、高い技術レベルを保有しているのも分かるので、不安と思われる部分はどんどん解消されていきます。
また、何回もLIGブログを見る事で、「初めまして」という感覚ではなく、自分の中で知っている人に昇格され、親近感なども合間って話が進みやすくなる。
コンテンツマーケティングを最大限活用している事例だと思います。
コンテンツマーケティングのストーリー
コンテンツマーケティングにはコンセプトが必要です。
LIGさんのコンセプトは以下。
Life is Good
〜わくわくをつくり、みんなを笑顔にする〜
・自分たちが関わるみんなをわくわくさせ、笑顔にするモノをつくり続ける
・事業領域には拘らずLifeをGoodにする事業ならば信念をもち挑戦し続ける
・すべてのLifeをGoodにするため個人も組織も共に成長していく
【全世界70億人のLifeをGoodにする】
わくわくをつくり、みんなを笑顔にする。
ここが大きくLIGさんのコンテンツマーケティングのコアになっていると思われる部分。

コンセプト:わくわく、笑顔にする
↓
スタッフが生き生きする
↓
それが伝わるコンテンツができる
↓
ユーザーがわくわくを感じ取りエンゲージメントを高める
↓
エンゲージメントが高まったユーザーから依頼が入る
コンセプト:わくわく、笑顔にする
↓
スタッフが生き生きする
↓
情報発信するためインプットする
↓
アウトプットで知識定着
↓
クリエイティビティが溢れweb制作の品質を高める
コンセプトという軸がきちんとあり、それを守ることで方針がブレないコンテンツマーケティングが実践できる。
「わくわく、笑顔にする」の部分がコアとなっており、これだけ多くのスタッフさんに書いてもらっていたとしても、企業としての守るべき人格(コア)は守られ、コンテンツからは一貫した感情や意思を感じることができるんだと思います。
そして、LIGさんのオウンドメディアのすごいところは、「アクセスが多い」や「面白い企画」があることはもちろんですが、本当は自社スタッフのインサイトを見つけ、意識改革をした、それが継続されている部分がすごいことだと思います
これは私の主観ですが、web制作のスタッフは内向的な方も多く、自分から情報発信をするのを得意としていないことが多いと思っています。
しかし、個人を出していくことに抵抗を無くし、発信した情報は自分のキャリアや信用にも繋がっていく。
転職をしたい時やフリーランスになった時にもそれが自分のコンテンツだとアピールできるため、やればやるだけ自分としてのメリットも増えていくき、企業側からしたら資産となるのでお互いにとってメリットがある。
コンセプトから続くコンテンツマーケティングへのストーリーを構築できたことが、成功の秘訣だと感じました。
株式会社LIGさん、コンテンツマーケティングまとめ
- コンセプトを忠実に守ることでコンテンツの魅力が増す
- オウンドメディアの人格が統一されている(わくわく)
- スタッフ個々の個性を活かしたコンテンツ作り
LIGさんのコンテンツマーケティングを見て調べて感じるほど、スタッフさんの生き生きした様子、”わくわく”感が伝わってきます。
これがLIGさんのすごさなのかなと思いました。
さらに、Life is Goodを目指す中で、コンテンツマーケティングは、スタッフさんのLifeも良くしていることに繋がっている。
自分たちが”わくわく”できるから相手も”わくわく”させられる。
これをコンテンツマーケティングによって実現できているのがすごいなと思える貴重な事例だと思いました。